新年あけましておめでとうございます 【今年も歯の健康を大切に】
みなさま、新年あけましておめでとうございます。
院長の雲井です。今年もみなさまにとって良い一年となりますように祈念しております。
微力ながら、お口の健康を通じて貢献できればと思っております。
本年もどうかよろしくお願いいたします。
さて、堅苦しいところはここまでです。昨日、実家の大阪から新幹線で帰ってきました。
いつもように新幹線の中では本を読んでいたのですが、今年は大ベストセラーの「永遠の0」を読みました。かなりの大部で読み切れるかなと思ったのですが、最初から引き込まれてしまい、2日ほどで読破しました。
内容についてはネタバレしてはいけないので、詳しく書けませんが、私を含めて戦争の実体験のない人たちには衝撃的なストーリーだと思います。
若い妻帯者、生まれたばかりの子供もいる、そんな普通の青年が、戦闘機乗りとして死なねばならない日々を送る苦悩、生きて家族のもとに帰りたいという当然の考え方を否定される理不尽さ、そして国家=軍隊という図式の中で道具として扱われる国民(人々)の空しさ、そういうものが心の奥に深く突き刺さる作品です。
主人公は、そんな状況の中でも決然と「自分は生きて家族のもとに帰る」という意志を貫き通すのですが、終戦直前に特攻機に乗り込むのです...・
主人公を知る戦友を孫にあたるテーラーが尋ねて回るという、オムニバス的な様式で周りから見た主人公が描かれるパターンも秀逸です。
特攻をめぐる、いろんな思いが戦友たちの回想を通じて我々の心に沁みこんできます。
「特攻はアラブのテロリストと同じなのではないか」「9.11と同じだろ」というマスコミの一部の考えには、全然同調できませんが、この本では、特攻機に乗っていった人たちの言えなかった想いが深く描かれていて一掬の涙を禁じえません。
戦争を操る国家の無常とそれにあらがえない国民の悲しさがよくわかります。
みんな心の中では反対なのに、空しいことをしているとわかっているのに、集団心理の中で村八分になりたくない人間の弱さがために、万歳三唱して兵士を送り出す...・。
お時間があればお読みになる価値はあると思います。
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あららら・・・めちゃめちゃ熱く語ってしまいました。年明けから長い文章でしたね。ごめんなさい。
と言いながら、ついでに書くと、戦争中の国家の狂気と国民の集団心理の恐ろしさということを考えていたら、なぜか、ドラマのリーガルハイ2を思い浮かべてしまいました。
リーガルハイ2はご存じの人気ドラマですが、笑いの中に真実があるとても面白いコメディです。
この中にシーズン2を通してのテーマで、女死刑囚の再審請求があります。
現実の事件でもよくあるけど、マスコミやネットを通じて偏った情報や見解などが、真実とはかけ離れた虚構を作り出し、いつしかそれが事実として世論:民意を形成することがあります。
シーズン2の終盤ではこの「民意」という化け物の恐ろしさをコミカルではあるが見ているものに問いかけていく展開です。民意を「国家権力」という言葉に置き換えれば、「永遠の0」で語られていることに通じるものがあるなと、ふと思っちゃいました。
(脚本家の方はとても有名な方ですが、どうしてこんなに書けるのかと思いうぐらいセリフ回しが巧みですね。)
いつの時代にも集団意識は恐ろしいということですね。
いやーーほんとに長い長い読書感想文でした。それではまた。