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2008年3月 9日

さて、前回の続きです。って、もう1カ月以上過ぎてしまいました。ほんとに、筆不精で困ります...。前の回を読んでから、こちらをご覧ください。

前回のポイントは、

①国民病の観のある歯周病の予防・進行抑制には、「歯石・着色」の定期的な除去が欠かせない。

②しかし、一般的にこの除去に用いられる「超音波発生器」の影響により、歯の表面に細かなキズがつく可能性がある。このキズが多くなると、ひどい場合には歯石・着色がつきやすくなってしまうこともある。

③このキズの問題は長く放置されてきたが、最近の技術進歩により解決の兆しがみられる。

以上でしたね。では、③について、より詳しく書いてみましょう。

前の回の最後で触れたように、ナノテクノロジーと言われるマイクロ技術の進歩で、微粒子の中に歯の成分を含ませた研磨剤が開発されました。この研磨剤(トリートメント剤)を「歯石・着色のおそうじ」をした後のきれいになった歯の表面に擦り込むことで、ミクロのキズを補修することが可能になったのです。この作業を我々は、「トリートメントケア」と呼んでいます。わかりやすい例では、髪の毛のキューティクルをトリートメント剤で補修するのと似ています。ダメージを受けた髪の毛のツヤを取り戻すの近いイメージです。

もちろん、効果には個人差がありますので、すべてのキズを補修できるわけではありませんが、トリーメントケアを行わない場合は、キズが残るリスクは全く解消されないわけですから、この技術の有用性は自明でしょう。

したがって、「歯石・着色のおそうじ」の直後にこの研磨剤を擦り込む作業を行えば、キズを放置するリスクを軽減することができるのです。

さらに申し上げるならば、「トリートメントケア」は「歯石・着色のおそうじ」の直後に1回行って、さらに3ヶ月後にもう1回行うのが理想的です。歯磨きや食事などを通じてミクロのレベルでは歯の表面はわずかにすり減ってくるので、ミクロのキズを補修したトリートメント剤がはげ落ちてくる可能性があります。したがって、これを補うために、トリートメントケアを繰り返すことが望ましいのです。

まとめますと、トリートメントケアを取り入れた「歯石・着色のおそうじ」のサイクルは次のようになります。

Ⅰ.歯石・着色のおそうじ

Ⅱ.直後のトリーメントケア(1回目)

Ⅲ.3ヶ月後のトリートメントケア(2回目)

Ⅳ.さらに、3ヶ月後の歯科医院での検診(つまり、Ⅰへ戻るわけです)

ちなみに、「トリートメントケア」は保険での適応はございません。施術料は4.200円です。

いかがでしょうか、「トリートメントケア」を取り入れた、歯周病からお口を守る、新しい取り組みをあなたも試してみませんか?汚れのないきれいな歯でにこやかな笑顔の毎日をお過ごしいただくために。

さて、次の回では、「トリートメントケア」の上を行く、「PMTC」のお話をしましょう。

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くもい歯科クリニッ​ク 院長 雲井秀樹

くもい歯科クリニッ​ク
院長 雲井秀樹

北海道大学歯学部卒

鶴見大学歯学部小児歯科学教室助手職を7年間務めたのちに、当地にて開業。

ファミリアキッズ駅前園 園医

日本歯科医師会会員 日本小児歯科学会会員